簿記2級は独学で合格することも可能です。
ただし独学で合格することは簡単ではなく、しっかりと勉強時間を確保して対策をすることが重要になります。
合格者の体験をもとに、簿記2級の難易度と、独学で合格する勉強法について解説します。
合格率から見る簿記2級の難易度
過去の簿記2級試験の合格率から、その難易度を見てみましょう。
合格率は参考程度にしておくべきですが、2割程度の合格者は出ています。
合格率はその年で変わりますが、しっかりと準備しておけば独学でも合格可能です。
簿記2級の合格点(出題範囲)から難易度を考える
次に簿記2級の合格点から難易度を見ていきましょう。
- 試験科目:商業簿記・工業簿記
- 試験時間:120分
- 合格点:70%以上
試験科目・時間と合格点から見ると簿記2級は決して簡単とは言えません。
120分の試験は集中力が必要になりますし、70%以上の点数は片手間の勉強では達成できません。
合格率は25%を切っているので(以前は30%以上ある年も多かったです)、しっかりと対策しないと合格できない難易度の試験と言えるでしょう。
昔は試験傾向が決まっていて暗記で合格できたのですが、今は試験傾向が変わったこともあり合格率が下がり難易度が上がったと感じる受験者が増えているようです。
簿記2級に必要な勉強時間
簿記2級に必要な勉強時間は、個人差はありますが300~600時間前後が一般的と言われています。
実際に初めて簿記2級を受験して、1回で合格した人の勉強時間を聞いてみました。
- 合格までの期間は5ヶ月で、平日は1日3時間ほどの勉強時間
- 休日は3~5時間の勉強
- 試験前は6~7時間、過去問の復習やオンラインの模擬テストを何度も行った
簿記2級を初めて受験する人は、勉強不足にならないよう時間の確保が重要になります。
もし試験まで期間がない場合は、1日の勉強時間を長くしてカバーしましょう。
簿記の基礎を身につける勉強法
簿記2級を独学で勉強する時に大事なことは、最初に基礎をしっかりと覚えることです。
簿記2級の試験で失敗する人の多くが基礎ができていないケースが多く、基礎力が不足しているため応用問題が全く解けないという口コミも多いです。
初めて簿記の受験をするなら、「はじめての人の簿記入門塾」で簿記の基礎を勉強しておきましょう。
こちらは昔からある簿記初心者向けの参考書で、簿記で大事な仕訳など重要なポイントをわかりやすく説明しています。
簿記は独特の用語やルールがあり、初心者はそれを理解できず挫折する可能性が高いです。
この参考書は、そんな簿記の概要を初心者でも理解しやすい例を出しながら説明しています。
2~3日あれば読み終わるので、これから簿記を勉強する人は必ず活用してください。
簿記2級の独学におすすめのテキスト
簿記2級の難易度が高い理由に、商業簿記と工業簿記の2種類を勉強することがあります。
そのため独学のテキスト選びはとても大事で、特に以下のことに気をつけましょう。
- 古い参考書は使わない
- 何冊もチェックしない
- 効率よく勉強できるものを使う
まず中古の参考書は、改定後の簿記2級の出題範囲に対応していないので絶対にチェックしてはいけません。
そして何冊も参考書を買う人もいますが、絶対に終わらないので商業簿記1冊と工業簿記1冊だけにしましょう。
あとは効率も大事で、なるべくポイントを絞って解説しているもの(丁寧に)だと理解しやすいです。
※ただ、参考書に関してはミスプリントなどもあり(これは他の参考書も同様です)、書籍のデメリットもあることを覚えておいてください。
おすすめは「ハブロフ」シリーズで、参考書はこのシリーズの商業簿記と工業簿記があれば十分です。
かなり絞った内容で、簿記2級試験の合格だけを目標とした構成になっているので効率的に勉強できます。
工業簿記に関しても、無駄のない内容になっていたので効率的に勉強できます。
補足ですが、この「ハブロフ」シリーズ、著者の方がブログやtwitterで質問に答えてくれるのが良いところです。
仕訳を制することが簿記2級を制する
簿記2級の勉強で大事なことに「仕訳」を覚えることがあります。
仕訳は配点も高く、簿記2級に合格する上で点数を取りたい内容になります。
仕訳の勉強が苦手な方は、こちらの参考書が丁寧でおすすめです。
簿記2級 効率的な勉強法
簿記2級の勉強法は、参考書と問題集を繰り返せば合格できるだけの実力は身に着きます。
出題される問題の傾向も決まっているので、何度も復習して知識を定着させることが重要です。
独学での効率的な勉強手順としては、以下のステップがお勧めです。
- 参考書で基本的な知識を身につける
- 問題集を繰り返し勉強して実力を定着させる
参考書で基本的な知識を身につける
簿記2級は覚えることが多いので、しっかりと参考書で用語を勉強することが重要です。
参考書の勉強法のポイントは、何度も繰り返し読むことです。
参考書は要点を丁寧に説明しているので、1回読むと理解した気になってしまいます。
しかし人間の記憶はそこまで優れていないので、1回で全てを覚えることはほぼ不可能です。
そのため何回も繰り返し読んで理解することが、知識を定着させる勉強法になります。
また参考書を読んだだけでは、簿記2級の問題を解くことは難しいです。
あくまで必要な知識を覚えることが、参考書を使う目的になります。
3回くらい読んである程度理解できるようになったら、問題集に移りましょう。
問題集を繰り返し勉強して知識を定着させる
参考書の理解がある程度できるようになったら、実践的な問題に移ります。
簿記2級は1問解くのに時間がかかる問題が多いので、勉強時間を十分にとって問題を解きましょう。
特に独学の場合、時間を意識した勉強をしなければ本番で時間が足りなくなる恐れがあります。
問題演習のポイントとして、最初はじっくりと考えて問題を解きましょう。
1回目は答えをみないで、できる限り自分で考えて問題を解く癖をつけましょう。
答えを見る癖をつけてしまうと、自分で考える力が身につかないからです。
1回目の答えは正解しても間違っても、必ず答えの解説をじっくり読んで理解しましょう。
自分の考え方が合っていたのかを確認することは、簿記2級を独学で攻略するためには重要なポイントになるからです。
独学で勉強している受験生で、1回か2回復習して終わりにする人は多いです。
3回以上繰り返して勉強した方が、確実に簿記2級の知識を身につけることができます。
特に苦手分野は、何度も勉強して理解するようにしましょう。
繰り返し復習することで、確実に合格ラインに近づくことができます。
過去問も勉強すること
簿記2級は、以前は過去問を覚えれば確実に合格できる試験でした。
しかしここ数年で傾向が変わってきて、過去問だけでは合格できる保証がなくなりました。
ですが、だからといって、簿記2級の過去問をする必要がなくなったわけではありません。
簿記2級の問題の特徴として、類似問題が出題される確率が高いことがあります。
全く同じ問題は出題されなくても、似たような問題は毎年出題されているのです。
一昨年の過去問が出題されたり、去年の過去問に似た問題が出ることは良くあるのです。
どの年の過去問が出題されるかは予測できないので、数年分の過去問を一通り勉強することをお勧めします。
資格スクール大手のTACから出版されています。
また解説も丁寧で、解けなかった問題をきちんと復習することもできます。
問題のポイントをしっかりと解説していて、独学でも理解できる内容になっています。
TACの過去問は、簿記2級の出題傾向なども説明しているのでお勧めです。
簿記2級を独学で勉強する場合の注意点
簿記2級を独学で勉強する場合、注意すべきポイントがいくつかあります。
覚えることが多いため暗記中心で勉強する受験生が多いですが、以下のことにも注意しておきましょう。
苦手分野を作らないこと
簿記2級の試験は、商業簿記と工業簿記から出題されます。
配点も商業簿記6割、工業簿記4割とどちらもバランス良く正解しなければ合格できません。
独学での勉強は、どうしても苦手分野の勉強を避けてしまう傾向にあります。
苦手な分野があるのならば、それは徹底的に勉強して克服しましょう。
得意分野だけで合格できる保証はないので、苦手分野の克服が簿記2級を独学で合格する鍵になります。
苦手分野の克服は、何度も問題を解くことが一番の近道です。
何度も勉強することで、問題を解く考え方を理解することができるからです。
参考書を読むだけでは、理解したつもりになる恐れがあるので問題を正解できるようになるまで勉強しましょう。
試験の時間配分を意識すること
独学で最も失敗することに、本番の試験で時間が足りなかったということがあります。
時間配分を意識した勉強をすることが、簿記2級を独学で合格するポイントになります。
問題演習に入ったら、なるべく時間を計って問題を解くようにしましょう。
実際の試験は120分とかなり長いので、集中力の持続も合格に大きく関わってきます。
大手のスクールであれば、一般の人も受験できる模試を開催しているところもあります。
本番と同様の緊張感に慣れることで、落ち着いて本番の試験に対応できるようになります。
簿記2級独学まとめ
簿記2級を合格するには、勉強時間の確保と復習がとても大事になります。
もし勉強時間の確保が難しかったり、独学に不安があるなら簿記2級の合格率が高い通信講座も検討してみてください。
通信講座は高いイメージもありますが、プロが出題傾向を分析してカリキュラムを作成しているので合格率が高いです。
何度も受験をすると受験料はかかりますしモチベーションも下がっていきます。
1回合格を目指すために、最短ルートで合格を目指せる通信講座の利用も検討してみて下さい。